食物を摂ると腸から糖分が消化・吸収され、血液の流れにのって全身に運ばれ利用されます。
この糖分が筋肉などで利用される時にはインスリンというすい臓で作られるホルモンの助けが必要となるのですが、このインスリンが不足して糖分が十分に利用できなくなった状態を「糖尿病」と呼びます。
血中ブドウ糖濃度は空腹時かそうでないかによって異なるので、両時点における基準値が存在します。それらの基準値を超えてしまった場合、糖尿病と診断されるわけです。
よくネーミングから誤解する人がいますが、「尿」から糖が出る病気なのではありません。それはあくまで上記診断を裏付ける兆候に過ぎません。血糖値が高くなりすぎるから、腎臓がそれをろ過しきれず尿糖が出るのです。
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ではなぜインスリンが不足するのでしょうか。
まず、生まれつき糖尿病になりやすい遺伝的体質の人がいます。そして、さらにこうした体質の人がインスリンの働きを妨げるような生活習慣を続けたとします。
本来、すい臓は血液中に糖分があるときにだけインスリンを生産し、血糖値(血液中の糖分の量)が下がると生産をストップします。しかし糖尿病体質の人はなかなか血糖値が下がらないので、すい臓はインスリンを休まずに作り続けねばなりません。結果、すい臓に負担をかけ続けることになりますし、糖分を利用する細胞の側もインスリンに対する感受性が低下してしまいます。おおざっぱに言って、こうしたことが糖尿病発症のしくみとされているのです。
また、これとは別に自己免疫反応によってすい臓を自分で攻撃してインスリン生産に関係する部分を破壊してしまい、全くインスリンが分泌されなくなる型の糖尿病もあります。糖尿病としてはごく少ないタイプですが、いわゆる「小児糖尿病」というのはふつうこれを指します(この場合遺伝的素因のほかにもウイルス・化学物質などが大きな原因となる)。
本来糖尿病とは病気というより一種の遺伝体質であり、糖尿病でありながら良好な健康状態を保っている人はたくさんいます。しかし上で述べたようにインスリンの働きを妨げるような生活を続けているとついに種々の症状を呈する病的状態となってしまいます("発病"・"発症"と呼ばれる)。
インスリンの働きを妨げる生活習慣としては次のようなものが指摘できます。
● 高カロリー食の過剰摂取
● 運動不足...肥満した脂肪細胞がインスリンの働きをさまたげる。
● 妊娠
ただし、小児糖尿病などのように本人の生活習慣とは関係なく起こる糖尿病もあるので、糖尿病の人がすべて不摂生な生活をしていたなどという考え方をしてはいけません。