「インスリン」は、すい臓で分泌されるホルモンです。
すい臓は、胃の後にある細長い臓器で、長さ15cm、厚さは3cm、重さは70gほどで、インスリンのほかに、食べ物を消化するすい液も分泌しています。すい臓のランゲルハンス島といわれる細胞の集まり中のβ細胞からインスリンが分泌されます。
インスリンは、三大栄養素のひとつであるブドウ糖を細胞が利用する際に、重要な役割を果たします。細胞膜の受容体にインスリンが結合すると、その細胞は、血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして利用したり、脂肪やグリコーゲンにして蓄えるのです。
免疫異常やウイルス感染などで、このβ細胞が破壊されると、インスリンが分泌されなくなります。これが1型といわれる糖尿病で、食べ物を食べてもからだがブドウ糖を利用できず、血液中のブドウ糖がいくらでも高くなります。
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治療でインスリン注射を使う場合があります。これはインスリンの分泌が足りないために、血糖コントロールができないので、注射でインスリンを補っているものです。しかし勘違いしてはならないのは、インスリンが足りないということが、すなわち糖尿病ということではないということです。
インスリンを打つのは、血糖値をコントロールするためです。糖尿病には様々なタイプがあり、患者さんの進行度の差もあるので、必ずしも糖尿病だからといってインスリン注射をするというわけではありません。血糖値のコントロールが重要なので、ほかの方法で血糖コントロールができる場合はインスリン注射は行いません。
本来、人間のインスリン分泌の目的は、大きく分けて二種類あるといわれています。一つは、食事と直接関係なく分泌されている肝臓や体内での糖代謝を助けている基礎分泌、もう一つは食事摂取後の急激な血糖上昇に対応するための追加分泌です。どちらがかけても体に重大な負担がかかり、それぞれが重要な役割を持っています。ちなみに、日本人の多くの糖尿病患者さんは、後者の追加分泌に問題が生じていることが多いといわれています。
したがって、インスリン注射といっても、患者さんの症状に合わせて使う必要がでてきます。