普通「糖尿病」というと、この糖尿病2型を思い出す人が多いでしょう。糖尿病患者数においても、大部分が糖尿病2型患者であるという現実もあります。糖尿病2型はインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)とも呼ばれ、インスリン注射などが必須になる糖尿病1型と区別されます。しかしこれは糖尿病2型はインスリン注射などと無縁だということではありません。糖尿病2型患者であっても症状によってはインスリン注射などが必要になる点注意しましょう。
糖尿病とは、常に一定範囲内に調節されているはずの血糖値が病的に高まる状態のことをいいます。
しかしなぜ血糖値が病的に高まり糖尿病2型になってしまうのかは明らかにっているとは言えません。遺伝的要因は重要なポイントだと考えられていますが、遺伝のみに原因を求めるのは説得力がなく、遺伝的要因に加えて環境因子、つまり「糖尿病2型になりやすい生活習慣」を送ることが発症につながるという説が有力視されています。
糖尿病2型の発症は比較的緩やかで、軽症の時期にはほとんど自覚症状がないものです。自覚症状が出てきた時期にはある程度病状が進んでいることも多く、予防のためには定期的な健康診断が有効であるとされます。軽症であればなんら生活に支障はないことの多い糖尿病2型ですが、高血糖状態を放置しておくと重大な合併症に繋がることになります。
生活習慣と深くかかわっているとされる糖尿病2型の初期にはほとんど自覚症状はありません。だからこそ定期的な健康診断が糖尿病2型の予防にとって重要となってきます。自覚症状が出始めた頃にはある程度糖尿病2型は進行していることが多いものなので、できるだけ早く本格的に治療を始めねばなりません。
自覚できるようになった頃の糖尿病2型の症状として特徴的なのは「のどの渇き」です。血糖値が上がると糖の濃度を下げようとするために水分を欲するようになり、のどが渇きます。のどが渇いて水分を多く摂ると尿量が多くなりますから、「尿の回数が多くなった」という症状を自覚する患者も多くいます。糖尿病2型の比較的早い時期には「食欲が増して太ってくる」という症状がよく自覚されます。初期にはインスリンが一時的に多く出ることがあり、これによって食欲が増し、その結果体重が増えてきます。糖尿病2型が進行すると、逆に「痩せてくる」という症状が表れることがあります。食欲があるのに痩せてくるのです。これはブドウ糖が正常に利用されていないことから起こる症状です。同じく「だるさ、疲れやすさ」といった症状もブドウ糖が正常に利用されないことから生じます。「視力低下」や「むくみ」などといった症状が現れ始めたら、目や腎臓の重大な合併症が始まっている可能性があります。
糖尿病2型の治療の大原則は、薬物などが必要となる前に血糖値をコントロールすることです。薬物やインスリン注射などが必要となってからではなかなか状態の改善が難しくなります。糖尿病2型が軽症の時期であれば、日常生活の中で治療していくことが可能なのです。
糖尿病2型が軽症であれば、治療の基本は食事療法と運動療法になります。糖尿病2型治療としての食事療法の基本は摂取カロリーの適正化にあります。摂取カロリーの適正化は患者の病状、体重、仕事の内容などを踏まえた上で、医師による指示が出ます。一つの目安となるのが、総エネルギー量=標準体重×仕事別消費カロリー(標準体重1kgあたり)というラインです。糖尿病2型治療のカロリー計算に慣れるために、「糖尿病食事療法のための食品交換表」(文光堂)をいつもチェックするとよいでしょう。
糖尿病2型の治療は長期にわたるものです。それだけに「無理せずに続けられる」という要素も必要です。そのため運動療法としてウォーキングがよく推奨されます。血糖値を下げるため、食後1~2時間後に行うのが理想的で、1回に15分以上を1日に2回、1週間に3日以上が一つの目安とされています。しかし病状などによっては運動療法も控えなばならないケースも出てきます。食事療法・運動療法で血糖値がコントロールできない場合は、薬物療法に頼ることになります。